大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和31(オ)242 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人岡井藤志郎の上告理由第一点について。

原判決は挙示の証拠にもとづいて本件家屋は訴外亡D死亡当時その所有に属した

ものであると認定したものであつて、右証拠によれば斯様な認定が可能である。而

も、原審は、上告人或はその夫訴外Eにおいて所論の各工事代金、固定資産税、地

代等の支払を為したことが認められるけれども、それは原判示の如き各経緯に起因

するが故に、本件建物がD死亡に至る迄同人の所有であつたとの認定を覆すに足り

ないと判示しているのであつて、叙上各金員の支払等をなした所以についての判示

に欠けるところはないのみならず、上告人がD所有の右家屋を使用していた権原、

使用を許されていた期間の如きは、必ずしも逐一判示するの要を見ない事項である。

所論は、以上と異なる独自の見解に立脚して原判決を論難し、或は原審が適法に

なした証拠の取捨事実の認定を非難するに帰着するものであつて採用し難い。

同第二点について。

論旨は憲法違反を云々するが、その実質は単なる訴訟法違反の主張にすぎず、そ

の理由なきことは、第一点について述べたとおりである。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

- 1 -

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!